JIS第二水準漢字のススメ
H22/03/11
 code 5130 ~ 513F
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5130
読み: ラン
解説: みにくいさまを表す。この字もなぜJISが採用したのか謎である。はっきり言って熟語がない。いや、普通の漢和辞書には載ってもいないのである。だまされたと思って調べてみてほしい。しかし、使い道がないでは癪にさわるので強引に使ってみることにしよう。例えば【醜儖(シュウラン)】=すっごくみにくいさま。これなんかはきっと国語学者と名乗る先生でもだまされると思う。字意はわかっているのであるから、このように各自考えてみるのもよいかもしれない。
用例:
5131
読み: セイ,サイ/ともがら
解説: 「仲間」「一緒に」「等しい」などの意味がある。【儕輩(サイハイ)】【儕等(サイトウ)】【儕類(サイルイ)】【同儕(ドウサイ)】【朋儕(ホウサイ)】【吾儕(わがセイ/わがともがら)】はどれも「同じ仲間」という意。【儕流(サイリュウ)】は「同じ流れをくむ同輩」の意味。
用例: 「あいつと俺は統○教会での儕流さ。」
5132
読み: チュウ,ジュ/ともがら
解説: 人の連なりを表す。これも「仲間」という意味合いが強いが、「かざす」「覆い隠す」という意味もある。【儔匹(チュウヒツ)】【儔倫(チュウリン)】【儔侶(チュウリョ)】【儔類(チュウルイ)】【儔儷[5136](チュウレイ)】はどれも「仲間」とか「たぐい」の意。
用例: 「君たちはみんなバンヂージャンプの儔匹かい?」
5133
読み: ボウ/はかな
解説: 訓読みの方は国字読みである。本来は「おろか」「くらい」という意味の字である。この字は覚えておくとよい。それにしても「人の夢」で「はかない」とはよくしたもんである。ちなみにこの字の他に「はかない」と読む字はない。【儚儚(ボウボウ)】は「心暗く惑うこと」。
用例: 「受験に失敗して依頼、儚儚とした日々が続く。」
5134
読み: ライ
解説: 「すたれる」とか「落ち着かない」とかの意がある。しかしここはやはり先述の「傀[507A]」と共に用いて【傀儡(カイライ)】として使おう。【儡身(ライシン)】は「失敗して落ちぶれた身」、【儡儡(ライライ)】は「疲れ果てたさま」をいう。【儡然(ライゼン)】は「心の落ち着かないさま」。
用例: 「会員番号No.31山本は同じくNo.29ゾニーの追い上げに儡儡としていた。」
5135
読み: ダ,ナ/おにやらい
解説: 疫病神を追い払う儀式のこと。【追儺(ツイナ)】ともいう。【猗[6048]儺(アダ)】は「たおやかなさま」の意。ちなみに「たおやか」とは「しなやか」と「穏やか」を足したような意味で、べーやんの曲にも出てくる。
用例: 猗儺な流れの川面を見つめている。」
5136
読み: レイ/つれあいなら
解説: 要するに二つの物が並ぶ様子を表す字。【儷辞(レイジ)】は「対になっている言葉」のこと。【駢[7158]儷(ベンレイ)】も「語句を対にして並べること」。【伉[5044]儷(コウレイ)】【儔[5132]儷(チュウレイ)】は先に述べたのでそちらを参照されたい。【儷匹(レイヒツ)】は夫婦のこと。
用例: 「四字熟語【熱願冷諦】の熱願と冷諦は儷辞の関係にある。」
5137
読み: ゲン/いかめしい,おごそ
解説: 基本的に「厳」と同じと考えてよい。熟語も同様。【儼恪[576D](ゲンラク)】は「おごそかでつつしみがあること」。【儼然(ゲンゼン)】は「おごそかで犯し難いさま」をいう。
用例: 儼然とした裁判所の雰囲気。」
5138
読み: トウ/すぐれる,し,あるいは,たまたま
解説: 「すぐれる」といっても生半可ではなく「傑出した」という意味が強い。【儻蕩(トウトウ)】とは「心が広く物事にこだわらないこと」。【儻然(トウゼン)】は「がっかりすること」。また【儻朗(トウロウ)】は「明らかでないこと」。
用例: 「今夜はイケそうな気がしていただけに儻然とした。」
5139
読み: ジン,ニン/にんにょう
解説: 「ひとあし」とも呼ばれる部首名である。もともとは人がひざまづいた様子を表す。
用例:
513A
読み: ゴツ
解説: 「高く突き出る」という意味がある。【傲[507E]兀(ゴウゴツ)】は「お高くとまって威張る」こと。【兀然(ゴツゼン)】は「高く突き出ているさま」。
用例: 「ちょっと、なによあの娘。傲兀としちゃってさ。ヤキ入れてやろうかしら。」
513B
読み: ジ,ゲイ,ニ/
解説: 「児」の旧字。富山県の大手玩具店(だった)「愛兒堂(アイジドウ)」の看板の字がこれ。
用例:
513C
読み: ダ,タイ,エイ,エツ/あなよろこ
解説: 【兌換(ダカン)】という熟語のために採用されたと考えてよい。特に説明もいらないと思うが「貨幣を他の貨幣と取り替える」こと。中学校の社会の授業で習ったはず。【兌換紙幣】といえば思い出すかな?
用例: 「私たちが普段使っている日本銀行券は兌換紙幣である。」
513D
読み: ト/うさぎ
解説: 一般には「兎」が使用されることが多いようだが、実は俗字。この「兔」が正しい字なのである。ちなみに【兔影(トエイ)】【 兔月(トゲツ)】は"MOON"、「月」のこと。なかなかお洒落である。【兔角(トカク)】は一般によく使われる言葉、「あれやこれや」という意味。
用例: 兔影に照らされた彼女の顔は勘違いしそうなほどかわいく見えた。」
513E
読み: キョウ/おそれる,つつし
解説: もともと「競」と同じ「互いにあらそう」の意味であったものが分化して、おもに「おそれつつしむ」という意味に用いられる。【兢戒(キョウカイ)】は「おそれいましめる」こと。【 兢惶[5835](キョウコウ)】は緊張して恐れ慎むこと。しかし何といっても覚えておきたいのが【戦々兢々(センセンキョウキョウ)】。野球などの解説でもよく使用される「おそれつつしむさま」をいう言葉である。「戦々恐々」と書く方が一般的になっているが、それと同意である。
用例: 「その男は月末の支払いに戦々兢々としていた。」
513F
読み: キョウ/きそう,
解説: はっきり言ってよくわからない字。手元のどの辞典にも載っていない。こうなってしまっては憶測に頼るしかない。しかし、個人的にこの憶測には多少自信がある。もったいぶらずに言おう。この字は「競」の誤字である。国語の教師である私の父も同意見であるということで、これが答えということにしてしまおう。しかし、なぜにJISがこんな字を採用したのかは全く不可解。
用例:
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