JIS第二水準漢字のススメ
H22/03/09
 code 5070 ~ 507E
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5070
読み: エン/せる
解説: うつ伏せになることをあらわす。他にも多数の別意がある。【偃仆[503D](エンブ)】は倒れること。【偃息(エンソク)】は寝ころんで休むこと。【偃然(エンゼン)】は寝そべるさま。【偃臥(エンガ)】は仰向けになって寝ころぶことの意。
用例: 「二人は草むらに偃息して将来を語り合った。」
5071
読み: カ,ケ/かりりる
解説: 「仮」の旧字。
用例: 面ライダー」
5072
読み: カイ,エ/う,あつまる
解説: 「会」の旧字。
用例: 「有限社風雅システム」
5073
読み: カイ/とも
解説: 「みんなで一緒に」の意がある。【偕楽(カイラク)】はみんな一緒に楽しむことの意になる。日本三大庭園の「偕楽園」もここからきている。【偕行(カイコウ)】は一緒に物事が行われる、或は行うことをいう。四字熟語では【偕老同穴(カイロウドウケツ)】を憶えておかねばなるまい。夫婦が仲良く年老い、一緒に葬られることをいう。
用例: 「わしとおまえは偕老同穴の契りを交わした仲ではないか。」
「忘年会とクリスマス会と誕生パーティーとが偕行された。」
5074
読み: ガン,ゲン/にせものにせ
解説: 「いつわり」の意。熟語はないと考えてよい。
用例: 「あの女は私の姉などではない。まっかなだ!」
5075
読み: ケツ,ゲ,ケイ/いこ
解説: 「憩」と同様に使用される。他に【偈偈(ケツケツ)】は骨を折って努める様子のことを表す。また【偈頌[7073](ゲジュツ)】は仏の功徳を称える歌のことである。ちなみにこれはサンスクリット語のG?tha(ガザ)を音訳したものである。
用例: 「その男は偈偈として奉仕活動に精を出した。」
5076
読み: サク,サ/つくる,
解説: 「作」の俗字。これもなぜJISに入っているのか謎な字。
用例: 「子りに励む。」
5077
読み: シャ/さて
解説: 元来「ひらく」とか「さく」の意。日本では発語の「さて」にあてて読む。
用例: 、久々にとりかへしのつかなひことでもするか。」
5078
読み: ソウ/くるしむ
解説: 「苦しむ」とか「せわしい」の意。【偬倥[5065](ソウコウ)】はせわしい様子。あるいは苦しむ様子のこと。【兵馬倥偬(ヘイバコウソウ)】は戦争のために心が落ち着かないことをいう。
用例: 「民衆は兵馬倥偬して国乱れる。」
5079
読み: トウ,チュウ/ぬす
解説: 元来「他人の物をこっそり取る」の意。【偸安(トウアン)】は目先の安楽をむさぼること。つまりは「一寸免れ」のこと。【偸盗(トウトウ)】【偸窃(トウセツ)】は盗人、あるいは盗むことそのものを指す言葉。また【偸盗】を(チュウトウ)と読めば、仏教で言う五戒のひとつになる。【偸眠(トウミン)】【偸看(トウカン)】は人目を盗むこと。【偸儒(トウジュ)】【偸怠(トウタイ)】は骨惜しみして怠けることをいう。また【偸生(トウセイ)】【偸活(トウカツ)】は命を惜しんでいたずらに生きながらえることをいう。
用例: 「まさにマルコスは異国の地で偸生の日々を送っていたと言えるだろう。」
507A
読み: カイ/おおきい
解説: この字は同じく第2水準の「儡[5134]」とともに使用して【傀儡(クグツ)】と読む。もちろん「カイライ」と読んでもよい。今でも「傀儡師(クグツシ)」という言葉を耳にすることがあると思う。これはいわば人形使いのことで、どさ回りの人形芸人のことだと考えればよい。ちなみに私も大学時代は傀儡師をやっていたことがある。ニュースなどでは「傀儡政権」という言葉がよく聞かれるだろう。
用例: 「長くO氏による傀儡政権が続く。」
507B
読み: コウ/なら
解説: これは「学ぶ」とか「習う」の意があるが、「真似をして学ぶ」の意が強い。ちなみに「習う」は「繰り返し繰り返しして学ぶ」の意が強い字であるといえる。【傚慕(コウボ)】は同じようにしたいとか、同じようになりたいとか思うこと。【傚擬(コウギ)】はまねること。【傚古(コウコ)】は古きにならうことをいう。
用例: 傚古して伝統を継承する。」
507C
読み: フ/もりく,かしづ
解説: もともと「つけびと」とか「守り役」とかの意。最近はほとんど使われなくなった「かしづく」という言葉は、大切に付き添って守るという意味。時代劇なんかでたまに耳にすることができるよね。【師傅(シフ)】は高貴な人の子の守り役のこと。【傅会(フカイ)】は無理に理屈をこじつけること、また物と物をつなぎ合わせる意もある。
用例: 傅会して自分の失敗を取り繕う。」
507D
読み: ウ/せむしかが
解説: 要するに背中が曲がる様を表わす。ひいて慎むとか恭(うやうや)しくする意になる。【傴背(ウハイ)】はせむしのこと。【傴僂[5124](ウル)】はかがむとか恭しくすることをいう。
用例: 「その男は傴僂して謁見に臨んだ。」
507E
読み: ゴウ/おごる,あなど
解説: もともと気ままに楽しむという意味であるが、ひいて「おごる」の意に用いる。前に述べた「倨[5062]」や「侈[504C]」と共に用いた【倨傲(キョゴウ)】や【傲侈(ゴウシ)】はともに「おごりたかぶる」の意。【傲讚[6C2D](ゴウサン)】はおしゃべりのこと。【傲世(ゴウセイ)】は世の中の人を軽くみること。
用例: 傲侈な権力者の末路は惨めなものである。」
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