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H22/03/05
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code 5021 ~ 502F |
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今やすべてのパソコンでJIS第二水準の漢字を使用することができるようになっています。かつてのパソコンでは漢字ROMはオプション品だった時代がありました。そのときはJIS第一水準漢字ROMと第二水準漢字ROMが別オプションだったりしたものです。
しかし、せっかく第二水準漢字が使えるようになっていてもそれを使わなかったのでは宝の持ち腐れ。3000以上もの漢字が出番を待っているのです。漢字は日本の文化。元祖の中国があてにならない以上、私たち日本人が漢字の伝統を守って行かねばならないのです。教育漢字クソ食らえ。旧字よこんにちは。第二水準漢字には歴史とロマンがつまっているのです。
この連載は普段はほとんど使われない漢字を使用するための手引きとなるべく、20年以上昔に筆者が月刊絵夢絶党に掲載したものですが、加筆修正を加えてエッセイ風に仕立ててみました。楽しく読んでいただけるように工夫もしてみましたので、お暇なときに目を通していただければ幸いです。
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読み:
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イチ/ひとつ
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解説:
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「一」の古字。単なる古字だと思えばよい。ゆえにまったく「一」と同じ扱いである。歴史的仮名使いの文章に用いるのがお洒落であろう。 |
用例:
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「私の愛用してゐる下駄箱の鍵は乙乃弌番である。」 |
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読み:
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カイ/こう
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解説:
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意味的には「乞」とほぼ同じと考えて良いようだ。つまり「ねだる」とか「たのむ」とかという意である。【丐命(カイメイ)】は命乞いをすること。【丐取(カイシュ)】は物をねだり取ること。 |
用例:
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子「ねぇーママァー、リボルティー2買ってぇ~!」
母「だーめっ!丐取しようたってそうはいきませんからねっ!!」 |
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読み:
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ヒ/おおきい
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解説:
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「盛大」という意を表す。【丕業、丕績、丕烈、丕緒】は、どれも大きな事業や立派な仕事、功績の意である。また、「うけつぐ」の意もあり、【丕子(ヒシ)】は皇太子のことを指す。(受け継ぐといっても皇帝や天皇のような天使の位にしか使用しないようである。) |
用例:
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「亡き父の丕業は長く語り継がれていくだろう。」 |
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読み:
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カ,コ
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解説:
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物を数える際の助数詞に用いる。「箇」の略字と思えば良いだろう。一个、二个、三个・・・つまり「ヶ」や「個」とかの代わりに使用できる。また、「介」の俗字という説もある。 |
用例:
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読み:
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カン,コウ
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解説:
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「あげまき」の意に用いる。「あげまき」とは昔の中国の少女たちなどの髪型のひとつである。長い髪の毛をくるくると巻いて留めたもの。絵本とかに出てくる天女や乙姫さんなんかは、必ずといってよいほどあげまきにしている。よって【丱角(カンカク)】はあげまきのこと。【丱女(カンジョ)】はあげまきの女の子のこと。 |
用例:
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「丱女、萌え~~!」 |
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読み:
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チュ
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解説:
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私もなんでこんな字がJISの第二に入っているのかよくわからない。これを入れるくらいなら他に採用してほしいものがたくさんあるのにあるのに・・・。ただ、熟語ではないが私はひとつだけこの字を用いる人名(?)を知っている。それは南総里見八犬伝に出てくる、もと伏見城の家老かなんかの【丶大法師(チュダイホウシ)】という坊さん。「丶」と「大」を組み合わせると「犬」という字になることから。馬琴さんもうまく使ったもんだね。 |
用例:
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「丶大法師、萌え~~!」「いや、ちょっとムリ・・・」 |
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読み:
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セイ,タン,トン/どんぶり,どん
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解説:
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誰でも使える第二水準漢字のひとつ。天丼、カツ丼、親子丼、牛丼......食い物屋ではいくらでも使い道がある。ところでなぜこの字を「どんぶり」と読ませたかであるが、これがどうも音から来ているらしいのである。「丼」は井戸の中を表す字である。ひいては物を井戸に物を放り込んだときの音。『ポチャン....』いえいえもっと大きいものだと......『どんぶり....』。今でも使うと思う。これ本当のお話。努々疑うことなかれ。でも、なんでこれが丼物の「どんぶり」になったかはよくわからない。(諸説粉々。私はやはり、どんぶりした形をしているからだと思う。こういうことって意外と単純なのよね。) |
用例:
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「何が悲しいって、すき屋の豚丼がなくなったことだね。」 |
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読み:
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ベツ,ヘチ
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解説:
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これも「丶」と同じで、まったくといってよいほど利用価値がない。漢和辞典でも作るのであればわかるような気もするが。とにかくメモリがもったいない。 |
用例:
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読み:
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ガイ/かる,おさめる
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解説:
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「刈」や「艾[6768]」と同じ意を持つ。「艾(カ)る」はまさに草をかる意。「刈」は刀を表す「リ(リットウ)」と、交差することを表す「メ」から成り立っており、はさみなどの刃物で草などをかる意である。こういった点では、鋭利な刃物を使用せず、草に限らない広い意味で物を「かる」ときに使うのがよかろう。(そんなことある?)使いものになる熟語としては、国などが安らかに治まる様子を表す【乂安(ガイアン)】がある。 |
用例:
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「乂安の地、マリネラ・・・」 |
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読み:
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カイ/そむく,もとる
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解説:
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羊の角を表す「千」と「そむく」という意の「北」とから成る字である。羊の角もよじれて分かれていることから、「そむく」「わかれる」の意がある。【乖異(カイイ)】は気が合わないこと。心がしっくりしないこと。【乖離(カイリ)】は、はなればなれの意。この熟語は一般的に使用されることが多いので覚えておこう。 |
用例:
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「政治と民衆の心が完全に乖離してしまっている。」 |
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読み:
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ジョウ,ショウ/のる
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解説:
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「乗」の旧字。というか、「乗」は「乘」の俗字だったのである。それが教育漢字に抜擢されたというわけ。ま、全体的に旧字は歴史的仮名使いの文を書くときに使用するとレトロでよいと思う。 |
用例:
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「乘用車のエコカー減税は意外と大きい。」 |
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読み:
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ラン/みだれる
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解説:
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「乱」の旧字。「乱」は「亂」の略字のそのまた俗字にあたる。「亂」だと見るからにみだれていてよいと思う(?)。漢字はこうでなくっちゃ。 |
用例:
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「飛行機が亂気流に巻き込まれて死ぬかと思った。」 |
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読み:
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ケツ
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解説:
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「丶」や「丿」と同じで漢字辞書用か。この字自体は「はねぼう」という部首を表している。ちなみに部首がはねぼうの漢字には次の「豫[502E]」がある。 |
用例:
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読み:
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ヨ/あらかじめ
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解説:
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「予」の旧字。ちなみに、殿様なんかが「よ(豫)は退屈じゃ」と言うときの自称代名詞に使うのがこれ。 |
用例:
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「豫の申すことに異を唱える者は打ち首じゃ!」 |
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読み:
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ジ,ズ,ス/こと,つかう
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解説:
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「事」の俗字。俗字というのは本字がくずれた形で通用しているもののこと。本字はその成り立ちなどから考えて正字形とすべきもの。あるいは昔から正字形として承認されているもののこと。ま、使わないに越したことがない字であることは確かみたい。でも、それじゃもったいないので、お洒落に使ってみるのもいいかも知れない。要は使い方が間違っていなければいいのだ。 |
用例:
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「今日の出來亊」 |
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