JIS第二水準漢字のススメ
H22/03/09
 code 5060 ~ 506F
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5060
読み: くるま
解説: 「人」と「車」で人力車の意味の国字。しかしまあ、安直ですばらしい国字である。
用例: 「私の曾祖父は戦前に浅草でを引いていた。」
5061
読み: イ,キ/る,たの
解説: 「よる」は人に身をもたせる際の「よりかかる」の「よる」であり、「たのむ」は人を頼ったりすがったりするときの「たのむ」であると言えば感覚がわかっていただけるだろうか。【倚人(キジン)】は不具者のこと。【倚門(キモン)】は売春婦のこと。【倚頼(キライ)】はもちろん頼ること。「依頼」と同じ。
用例: 「友人の倚頼を受けて渋々承諾する。」
5062
読み: キョ/おご
解説: その通り「おごり高ぶる」こと。「曲がる」の意もある。【倨気(キョキ)】はおごり高ぶった気分。【倨色(キョショク)】はおごり高ぶった顔つきのこと。【倨侮(キョブ)】はおごり高ぶって人をあなどること。また【倨句(キョク)】は屈折角度の意味である。この場合、「倨」は鈍角、「句」は鋭角の意になる。
用例: 「その指揮官は敵を倨侮して大失態を晒した。」
5063
読み: クツ/つよ
解説: この文字の持つ「強い」という意は、精神的に強い場合、つまり強情とか頑固とかという意味で使用する。よって【倔強(クッキョウ)】は強情で人の言う通りにならないこと。【倔気(クッキ)】は意地が悪いことをいう。また、「抜け出す」とか「起こり立つ」の意があり、【倔起(クッキ)】は匹夫(ヒキブ)(身分の低い男)から身を起こすことをいう。
用例: 「豊臣秀吉は倔起して関白になった男だ。」
5064
読み: ゲイ,ガイ/きわ
解説: 「はじっこ」の意と「かよわい」という意がある。【端倪(タンゲイ)】は物事の始まりとか際(きわ)の意なのに対し、【旄[5A56]倪(ボウゲイ)】は年寄りと子供という意味である。【俾倪(ヘイゲイ)】は横目でにらむこと(一般的には「睥[624E]睨[624B]」が用いられる)。この熟語は憶えておくとよい。
用例: 「この宇宙の端倪はビッグバンである。」
5065
読み: コウ/ぬか
解説: もともとは「愚かなこと」とか「忙しい」とかの意だったが、これを日本人は「ぬかる」と訓読した。時代劇で必ず聞かれる台詞のひとつである『ぬかったわ!』の「ぬかる」である。【手倥(テヌカリ)】は特に説明はいらないだろう。【偬倥(ソウコウ)】はせわしい様子。あるいは苦しむ様子。
用例: 「者ども、倥るでないぞ!」「おう!がってんでいっ!」
5066
5067
読み: サイ,ソツ/せがれ
解説: 国字読みでは「せがれ」で、自分の息子のこと。本来は「雑兵」とか「人夫」など、「小者」の意。【丞倅(ジョウサイ)】は「助け役」、【倅然(サイゼン)】は急なさまをあらわす。「伜」は「倅」の俗字。比較的使える字のひとつかもしれない。
用例: 「わしのも生きとったらおまえさんと同い年じゃ。」



5068
読み: シュク,テキ/い,はじ
解説: 「ととのえる」の意もある。【俶装(シュクソウ)】は身支度をすること。【俶儻[5138](テキトウ)】は才気が高く優れていること。
用例: 「その女優は俶装して出番を待った。」
5069
読み: ショウ/わざおぎとなえる
解説: 「わざおぎ」とは芸人のこと。【倡家(ショウカ)】【倡楼(ショウロウ)】は女郎屋のこと。【倡俳(ショウハイ)】【倡優(ショウユウ)】は役者のこと。この字は「娼」「唱」「昌」などと同意の部分が多い。ここは「にんべん」ということを考慮して用いるのがよいだろう。
用例: 「女をおぼえた亮は倡楼に通い詰める始末だ。」
506A
読み: セン,セイ/うつくしい,つらつら
解説: この字は特に「口もとが愛らしい」という意味がある。【倩眄[6240](センベン)】は愛らしい口もとと美しい目もとのことを指す。【倩倩(センセン)】はうるわしいさま。もちろん、「つらつら」と訓読するのは国字読みである。
用例: 倩倩とした女性が私の横を通り過ぎて行った。」
と考へるに、女は男の32倍助平ではないだらうか。」
506B
読み: タク
解説: 「抜きんでた人」の他、「大きい」とか「いちじるしい」とかの意があるが、ここは【倬詭[6B4C](タッキ)】という熟語のための字と考えるのがよい。「他にまさって異才を放つ」という意味である。
用例: 「彼はプログラミングに関しては倬詭な才能を持っている。」
506C
読み: ヒ,ヘイ/しむせしむしたが
解説: 「しもべ」「召使」の意。【俾倪[5064]】で「横目でにらむ」の意もある。使い方としてはこの熟語くらいであろう。また、漢文を読むときにこの字が出てきたら、「しむ」「せしむ」と訓読する。
用例: 「映画館で奇声を発したら隣の人に俾倪された。」
506D
読み: フ/せる
解説: 「うつむく」、「かがむ」の意。【俯瞰[6257](フカン)】は是非憶えておきたい。地図などの「ふかん図」というのはこの字を用いて「俯瞰図」と書く。高いところから見おろすという意味である。【俯就(フシュウ)】は自己を屈して人に従うこと。
用例: 「職場が変わった場合は、しばらくの間は俯就しているにこしたことはない。」
506E
読み: モン/ともがら
解説: 人称代名詞に添えて複数を表すのに用いられる。【我們】と書いて「われら」と読む。【彼們】で「かれら」と読むのは言うに及ばず。
用例: 我們の同人誌は三十年もの間刊行されつづけている。」
506F
読み: リョウ/たく
解説: 「腕前」とか「手並」の意。【伎倆(ギリョウ)】はうでまえのこと。この熟語のための採用かもしれない。
用例: 「彼女のマッサージの伎倆には定評がある。」
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