JIS第二水準漢字のススメ
H22/03/11
 code 5121 ~ 512F
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5121
読み: セン/みな
解説: 多くの人の口を集めることから、意見が皆一致する、ひいて「みな」の意になる。【僉議(センギ)】【僉謀(センボウ)】は共にみなで相談すること。戦時中よく使われた言葉だね。【僉同(センドウ)】は衆人が賛同すること。
用例: 「家族全員で僉議して賞与の使い道を決める。」
5122
読み: セン
解説: 元来、霊界に住む人の意。ひいて、やまびと(仙人)の意に用いる。字意としては「仙」と全く同じと考えてよい。もと、この「僊」の俗字として「仙」が用ゐられたからである。ゆえに「仙」の本字ととらえてよいだろう。【僊人(センニン)】=「仙人」、【酒仙(シュセン)】=「酒仙」(大酒飲み)など。
用例: 「彼女は酒仙として社内で名をはせている。」
5123
読み: デン/つたわる,つて
解説: 「伝」の旧字。富山県人ならば「女傳(オンナデン)のかまぼこ」で有名だと思う。
用例: 「以心傳心」「傳説の勇者リアン・フレムデ」
5124
読み: ロウ,ル/かが
解説: 先に述べた「傴[507D]」とほぼ同じ字意を持っている。【僂背(ロウハイ)】【佝[5048]僂(クル)】はせむしのこと。【僂指(ロウシ)】は速やかに指し示して述べること。
用例: 「彼の猫背はまるで佝僂のように見える。」
5125
読み: キ/よろこ
解説: 「喜」と同じと考えてよい。この字もみごとに使い道の無い字。元来人名用と思ってよいかもしれない。中国史をやっている人には嬉しいと思うのだが………。
用例: 「春秋時代の魯の国の王、僖公。」
5126
読み: ギ/いつわる,にせ
解説: 偽」の旧字。
用例: 「年齢をり、イケメンをゲットした。」
5127
読み: キョウ,ギョウ/ねが
解説: 利を求める、幸いを願うという意。【僥冀[5143](ギョウキ)】は希(こいねが)うこと。【焦僥人(ショウギョウジン) 】は中国南部に住む蛮俗のこと。【僥倖(ギョウコウ)】はどこまでも利益や幸福を求めること。この熟語は憶えておくことをおすすめする。
用例: 「彼女の貪欲に僥倖する姿にはちょっとひく。」
5128
5129
読み: セン,シン/おご
解説: お気づきのことと思うが、「おごる」と訓読する字が結構多い。手元の何冊かの辞書に出ているものだけで14字もある。中国の歴史を考えても納得のいくものがある。この字もその中のひとつだが、「身分の低い者が身分不相応におごりたかぶる」の意である。これはよく聞く熟語【僭越(センエツ)】は身分に外れたことをすること。【僭踰[6C7C](センユ)】も同意。【僭主(センシュ)】は武力で位を奪って君主となった者のこと。つまり下克上の勝者。また、英語の"tyrant"(暴君)の訳語として使用される。
 さて、「僣」は「僭」の誤字である。「僣」は本来別字で、「わるがしこい」という意。
用例: 「では、僭越ながら万歳三唱の音頭をとらせていただきます。」
512A
読み: ドウ/わらべしもべ
解説: 純粋に「こども」の意に用いる。「童」にはもともと「奴隷」の意があるので、これとは区別する。15歳未満の元服前の子供を指す。このように本来は意味が若干違うのだが、熟語は「童」と同じように用いる。【僮僕(ドウボク)】は男の召使いのこと。【僮僮(ドウドウ)】は召使いのようにぺこぺこする様子。
用例: 「ふっ・・・私なんて家庭では妻の僮僕のようなものですよ。」
512B
読み: カ/あたい
解説: 「価」の旧字。元来「価」は「價」の略字である。
用例: 「同人誌を原割れで売りさばく。」
512C
読み: キョウ/たおれる
解説: 人が倒れる様子を表す。「こわばる」「かたくなる」という意味もある。【僵仆[503D](キョウフ)】は倒れ伏すこと。【僵立(キョウリツ)】はこわばって立つこと、つまり直立不動のこと。【僵木(キョウボク)】は倒れた木。
用例: 「東海林太郎はいつも僵立して歌を歌った。」
512D
読み: ケン
解説: 「倹」の旧字。「倹」は「儉」の略字である。
用例: 「低所得時代を約で乗り切る。」
512E
読み: シュン/すぐれる
解説: 「すぐれていること」また「すぐれた人」を表す。中国の姓にも使用される。「俊」と全く同意の字と考えてよい。よって熟語も全く同じ。【儁逸(シュンイツ)】【儁風(シュンプウ)】など。【儁才(シュンサイ)】は「すぐれた才能」または「すぐれた才能を持った人」という意味だが、「秀才」と書くよりは「儁才」と書いた方が何となくかっこいい。
用例: 「この子の儁逸した才能を伸ばしたい。」
512F
読み: ドウ,ノウ/わし
解説: 自分のこと。日本語では一人称代名詞としてよく使用される。「僕」や「俺」と同様に使用する。中世の中国でも俗語ではあるが、自分のことを指す字である。
用例: 「おい、かーさん!のパンツはどこだ?」
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