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H25/5/5
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結党以来、30年以上の歴史を持つこのパソコンユーザーズクラブ絵夢絶党は、これまで数々のオリジナルソフトウェアを開発してきました。実験的なもの、実用的なもの、遊べるもの、ふざけたものなど、それはそれは様々なものが存在するのですが、党の歴史をまとめる意味においても、今それらを紹介していきたいと思いはじめました。MZ-80用からWindows用まで、順不同で思いつくままに書き連ねていこうと思います。また、それらを知っていただくことによって、絵夢絶党がどのようなサークルなのか、手っ取り早く理解していただけるものと期待もしています。乞うご期待ください。 |
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No.1 お正月特別企画「絵夢絶党すごろくシミュレータ」 |
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作者:山原水鶏
対応機種:MZ-80シリーズ
形式:マシン語(WICSコンパイラ) |
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全56マスからなるオリジナルすごろくをシミュレートするプログラムである。1人以上、何人でもプレイが可能である。このソフトの一番の特徴は「全自動モード」で高速動作することと思われる。プレイヤーを登録してスタートすると、勝手にサイコロを振って、勝手に駒を進め、勝手にイベントが発生して処理されていく。つまり、黙って結果が出るまで見ているソフトなのだ。進行状況はリアルタイムで表形式で表示される。表題にあるようにお正月特別企画として、5名の党員が作者によって勝手に登録され、誰一人知らぬ間に党誌絵夢絶党に結果が発表された。
もう一つの特徴は、マスごとのイベントがコンピュータにちなんでおり、「暴走モード」や「割り込み」などの種類があることだろう。Z80CPUの命令などが出てくるのも特徴のひとつ。また、本当にプレイヤーをあがらせる気があるのかと疑いたくなるようなシビアなイベントの数々。企画で登録された5名のうち、1名のみがあがり、他4名は全員リタイアという結果に、作者は「あがれるなんてめずらしい!」と無責任な感想を述べている。
党誌を書く
6回休み |
→ |
暴走!!
以後、割り込みやリセットが
かかるまで目の数×2で進む |
RET命令
ふりだしに戻る
HL=ふりだし (SP) <> HL
RET |
DI命令(STOP)
割り込みがかけられた人は必ず
ここで止まること。以後、割り込
みがかかるまで通常通り進む |
阿閉さんにCABINをもらう
3つ進む |
ロリコンになる
ロリコンの人は関係なし
普通の人は1つ進む |
変態になる
普通人はRetire
変態の人は関係なし |
プログラムカウンターを喰らう
3回休み |
DJNZ命令に入る
次に出た目の数だけ休み |
EXCHANGE命令
トップの人と最下位の人を入れ
替える。すでにあがりの人は除く |
参考までに左に絵夢絶党すごろくの一部を掲載しておく。左上のマスから進んでいく。終始こんな調子でプレイヤーにストレスをかけてくる。また、このすごろくには「MODE」という概念があり、性別が変わってしまったり、「だっぴゃ(うる星やつら参照)」になってしまったりと、かなり個性的な仕様になっている。
ちなみにこのすごろくは普通にコマとサイコロを用意して遊ぶこともできる。 |
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以下が絵夢絶党すごろくシミュレータの動作画面である。発生したイベントなどの情報は、逐次この表の下に表示されるようになっている。 |
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NAME |
POSITION |
MODE |
PASS |
LANK |
ビコウ |
T.A |
NO.12 |
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6 カイ |
NO.5 |
RETIRE |
Y.K |
NO.8 |
D.G. |
0 カイ |
NO.4 |
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M.A |
NO.13 |
G. |
4 カイ |
NO.1 |
PASS 3 |
H.S |
NO.13 |
G. |
3 カイ |
NO.1 |
PASS 6 |
OOI |
NO.13 |
G. |
2 カイ |
NO.1 |
PASS 4 |
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No.2 ケンタウルスα |
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作者:杉之原名人
対応機種:MZ-80シリーズ/PC-9801シリーズ/Windows95/98/NT
形式:マシン語(MZ-80用:WICSコンパイラ/PC-9801V用:アセンブラ/Windows用:Visual C++) |
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もともと、杉之原名人がWICSコンパイラの評価用に約4時間で作成したシューティングゲーム。ちなみに「WICSコンパイラ」はキャリーラボがMZ-80シリーズ用に開発した整数型のBASICライクな言語である。
ケンタウルスαは非常に単純な画面構成およびルールのゲームである。画面下の自機を左右に移動させ、画面上をランダムに移動する1体の敵キャラクタ(ンコターレ)を指定時間内に指定個体数を打ち落とすというものである。敵キャラクタの当たり判定はシビアで、敵中央の1文字を打ち抜かねばならない。ステージが変わるとこの敵中央のキャラクタが次々と変わっていき、打ち落としたときの得点もアップしていく。ステージクリア時の残り時間もBONUSとして得点に加算される。連射は不可である。敵の落とす「う○こ」が自機に当たると自機が1機減る。自機がなくなるとゲームオーバー。タイムオーバーになってもゲーム終了である。ステージが進むにつれてクリア条件が厳しくなっていく(時間制限が短くなり、打ち落とすノルマ数も増える)。
このようにシューティングゲームとしてはこれ以上シンプルにならないくらいにシンプルなのだが、はまる人が続出。党内での人気ゲームとなった。後に作者がPC-9801VMを購入したときは、i8086CPUのアセンブラ練習用にと自身で移植(80字モード使用・カラー化)。さらに、WindowsにWinGが発表されたときには、作者がWinGのテスト用にとWindows版を製作。このWindows版では初めてキャラクタではなくフルグラフィック&PCM効果音対応のゲームとなったが、特にルールは変更されなかった。このセルフ移植は作者によって会社(風雅システム)で暇を見ながら行われた。 |
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No.3 ケンタウルスβ |
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作者:竹林氏
対応機種:MZ-80シリーズ
形式:マシン語(WICSコンパイラ) |
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作者がケンタウルスαの影響を受けて作成したアクションゲーム。かなり凝った作りとなっており、党内でも完成の期待が大きかった力作である。サブタイトル「シッコターレ」。
ルール自体は単純で、画面上部を左右に移動する「放尿機(=ちん○)」を操作して、移動する障害物を避けながら画面最下部の草むらに尿を到達させるというもの。見た目は「ビームをより長時間画面下に当てる」というゲームである。障害物は画面中央付近を左右に流れるように移動しており、タイミングを見切るのが難しい。難易度は調整前だったせいもあるだろうが、かなり高い印象である。ちなみに主な障害物は「便器」である。
残念なことにこのソフトはほぼ完成していたにもかかわらず、党員に配布されることがなかった。これは作者が以後、党集会に出席しなくなったためである。党員にもいろいろと事情があるのだろうが、とても残念であった。 |
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No.4 ケンタウルスΩ |
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作者:山原水鶏
対応機種:MZ-80シリーズ
形式:マシン語(WICSコンパイラ) |
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当時、アーケードゲームで若干流行っていたタイトー社の「The Pit」というゲームのMZ-80シリーズへの移植作である。かなりよくできており、党内でも高い評価を得た。プログラムサイズもWICSのランタイムルーチンを除いても24.7KBという大作である。作者は「生まれて初めて作ったまともなゲーム」と公言している。特にDEMOと効果音にはめいっぱい力が入っているとのことだが、その言葉に違いはない。「本物よりずっと簡単なゲームになった」と作者は言っているが、実際にプレイしてみると「どこが?!」と言いたくなる。ちなみに原作の動画がYouTubeにアップされている。
(TAITO "The Pit" - http://www.youtube.com/watch?v=gl2o8Sa8C2k)
ケンタウルスΩのプレイ画面もこの動画に準ずる。もちろんモノクロでキャラクタのみで作られているが。ほぼ同様のプレイ感覚に仕上げられていたことは賞賛に値するだろう。 |
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No.5 ぺんさん(PENSAN) |
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作者:阿閉雅宏
対応機種:MZ-80シリーズ
形式:マシン語(アセンブラ) |
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アーケードゲーム、SEGA社の「PENGO(ペンゴ)」の移植作である。
(SEGA "PENGO" - https://www.youtube.com/watch?v=tUopJtIdKeo)
MZ-80シリーズへの移植としては、ほぼ「完璧」の完成度を誇り、絵夢絶党のZERO SOFTブランドで市販もされた経緯がある。作者の談では、オブジェクトサイズが16.5KBあり、どうもそれが「不服」だったらしい。フルアセンブラのソフトとしては大きすぎるという。「そうかぁ?」と誰しもがツッコミを入れるところだろう。
このソフトのよくできているところは「キャラクタの使い方がウマい」という点にもある。確かにMZ-80シリーズ用のソフトは感動的にキャラクタグラフィックがスゴイのが多かったが、ぺんさんも例外ではない。周囲の壁をぺんさんが蹴ると振動するのだが、それもキャラクタで表現。またプレイヤーキャラのもたった4つのキャラクタで4方向を表現している。ちゃんとペンギンに見えるから大したものである。BGMも途切れること無く、快適にプレイできる。また、ゲーム開始前に3種類のキーアサインが選択できるという親切さ。全国販売していれば間違いなくヒット商品になっていたと悔やまれるほどの作品である。後に作者はTAITOのゲームプログラマとなっている。
これは余談だが、この作品は作者が当時のマイコン雑誌に応募する予定で製作していたものだったのだが、完成前にPC-8001版が出てしまい、作者はすっかりやる気をなくして、雑誌への応募もやめてしまったといういわくがある。 |
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