抜粋!New Products
アナログタイマーIC

 庄和無線工業(株)が今回発売したのは、直接アナログ的にタイマーを設定できる多機能タイマーICである。内部は3チャネルの16ビットタイマー(プリスケーラ付き)と、アナログダイヤルでタイムを設定するワンショットタイマーで構成されている。外部バスは8ビットなのでPICなどにも容易に接続できる。ダイヤルは小型ゼンマイによる完全アナログ方式で、その都度手動でタイムを設定する。0になったときに「チン!」と音が出る設定もある。
 28ピンのICなので爪が伸びていないと回しづらいのが難点。また、ゼンマイ式のため誤差が大きいことを念頭にシステムを設計する必要がある(±5%)。
 アナログタイマーの時間によって、3分/30分/6時間/24時間の4種類がある。現在のところ形状はDIPのみだが、QFPやSOPなども準備中とのこと。

 SMK-P 3528-3 (3min)
 SMK-P 3528-30 (30min)
 SMK-P 3528-6H (6hour)
 SMK-P 3528-24H (24hour)  サンプル価格 各500円(1000個ロット時)

アナログ式数値演算LSI

 米モットロール社の最新LSIチップがこのMMC68ALG880だ。同社のテクノロジーを集結して作られたこのチップは、「計算尺」の具体的シミュレートによって演算を行う数値演算プロセッサなのである。内臓のマイクロリニアモーターでスケールを移動させ、光学センサーで目盛りを読み取って演算を行う。演算部は完全にアナログ式であるため、得られる結果は近似値である。よって、毎回演算結果が異なる場合も多い。可能な演算は四則演算の他、対数、三角関数、平方根など。とりあえず80ビットの数値を扱う。
 このLSIは精度が求められる用途にはまったく向かない。また、演算速度も極めて遅く、演算の種類にかかわらず300ms~800msの時間を要する。そしてチップはかなり長く(142mm)、動作中はさらに伸びる。高速性を必要とせず、適当な計算でも問題のない用途に限定されるだろう。唯一ともいえる長所は、作動中の様子を見ているのが楽しいということだ。

 MMC68ALG880 (16bit 100MHz - 外部インタフェース部)  サンプル価格 22,000円(1個~)

※参考までに : http://hiraya.cafe.coocan.jp/slide.html (或阿呆氏)

ワンチップパソコン

 過塩電機(株)が発売したFP-0050はワンチップパソコンである。ラップトップ、ノート型、PDA、携帯電話一体型と小型化が進んできたパソコンだが、この製品でいちおうの決着を見た感がある。
 FP-0050にはパソコンと呼ぶべき機能が凝縮されている。カラー有機ELディスプレイ(768×480dot タッチ機能付き)、フラッシュメモリドライブ(120GB)、専用磁気カードリーダー、キーボード、スピーカーなどがオンチップで内臓されている。CPUユニットは低消費電力RISC型で、動作周波数は1.2GHz、メインメモリは2GB。ディスプレイコントローラの設計はmWidia社が担当し、移植された最新の3Dゲームソフトもストレス無く動作するとのこと。チップから出たピン(40Pin)には電源の他、直接USB2.0ポートが接続可能。マウスや外部キーボードやステレオスピーカー、外部ディスプレイなども付加回路無しで接続できる。このあたりがワンチップパソコンたるゆえんであろう。また、ディスプレイやキーボードが一回り大きな64ピンDIPタイプも用意されている。こちらはディスプレイが1024×640dotとなっている(他にもUSBポートが6→12ポートに拡張されている)。
 電源は直流3V単一で、単4アルカリ電池2本、またはリチウムイオン電池で駆動が可能。

 FP-0050 (40ピンDIP 32bitCPU1.2GHz動作)  8,800円
 FP-0080 (64ピンDIP 32bitCPU1.2GHz動作)  10,800円

つづくかも・・・