米モットロール社の最新LSIチップがこのMMC68ALG880だ。同社のテクノロジーを集結して作られたこのチップは、「計算尺」の具体的シミュレートによって演算を行う数値演算プロセッサなのである。内臓のマイクロリニアモーターでスケールを移動させ、光学センサーで目盛りを読み取って演算を行う。演算部は完全にアナログ式であるため、得られる結果は近似値である。よって、毎回演算結果が異なる場合も多い。可能な演算は四則演算の他、対数、三角関数、平方根など。とりあえず80ビットの数値を扱う。
このLSIは精度が求められる用途にはまったく向かない。また、演算速度も極めて遅く、演算の種類にかかわらず300ms~800msの時間を要する。そしてチップはかなり長く(142mm)、動作中はさらに伸びる。高速性を必要とせず、適当な計算でも問題のない用途に限定されるだろう。唯一ともいえる長所は、作動中の様子を見ているのが楽しいということだ。
MMC68ALG880 (16bit 100MHz - 外部インタフェース部) サンプル価格 22,000円(1個~)
※参考までに : http://hiraya.cafe.coocan.jp/slide.html (或阿呆氏)
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