怪
怪シリーズの怪
怪シリーズ、それはまだ絵夢絶党がコピー誌だった頃のお話。
翌日に定期集会があるにもかかわらず原稿が出来ていない私、絵夢絶人。
考えても考えてもネタが出てこない。
とにかく何でもいいから書いちまおうと『○○○の怪』とタイトルをつけて『怪』とは無縁の記事をでっち上げる。(^^;
そんなことが度重なって、立派なシリーズとなって……いるわっきゃない。(苦笑)

そして今、再びネタが尽きた私はとんでもない暴挙に出た!
復活第一弾は電気に関する用語の怪である………。
電気に関する用語の怪
【灯を入れる】ひをいれる
【灯を落とす】ひをおとす

漢字はこれで合っているはず(^^; まっ、いいか。
共に電源を操作する時に使われる言葉で、「入れる」がONを、「落とす」がOFFを表す。
では、なぜ「灯」なのか? そいつを説明してあげようという、とってもおせっかいな話だからしっかり読むように。(笑) では………

昔々あるところにラヂヲという電気機器がありました。 このラヂオには真空管という硝子の管が付いておりました。 電源を入れると、その硝子の管に封入されている中の金属が赤く光りだしたではありませんか。 それはまるでランプの明かりのようです。 それ以来、真空管を使った器具に電源を入れることを灯を入れる、切ることを灯を落とすといったそうな。 めでたしめでたし。(^^;

ありゃ? もっと粘っこく書こうと思っていたのに終わっちまったい。(笑)
んじゃ、次は『真空管の怪』といこうか。 近日執筆予定? 本気か?(^^;
真空管の怪
ついに最後の砦だったブラウン管が駆逐され、電球も姿を消そうとしている今、あらためて「真空管に関する自分の記憶を書いてみようと思う。
そ、記憶なのだ。間違っていようが知ったこっちゃない。(^^;
ちゃんと知りたい人はウィキででも調べてくれ。多分あるだろ。(笑)

先ずは電球からいこう。
かのエジソンが日本の竹を使った事で有名な、フィラメントに電流を流してやると発光するというやつだな。
この時、フィラメントの酸化を防ぐために周りを真空にするわけだ。

で、ここからスタート。
フィラメントの他にもう一つ電極を入れてみる。んで、その間に電圧をかけてみると追加の電極からフィラメントの方向にだけ電流が流れるのだ。電気の用語で言う「整流」、現在の素子だとダイオードに相当する。
この、最も基本的な構造である「整流管」は、今でもオーディオ・マニア向けオール・真空管アンプに見ることができる。はず。(^^;

フィラメントと追加の電極で「二極管」なのだが、この形を直熱管といったと思う。たぶん。
これだとフィラメントを熱する電源に極間を放電する電圧が重なる事になる。そうなると混ぜたり分けたりする回路が必要になってくる。コレは面倒、なんとかしようと考え出されたのが別置きのヒータで電極を暖める「傍熱管」(……あれ? この字だっけ?)てやつだ。
原理は同じで、熱してない極から熱した極へだけ電流が流れる。電子とすれば、熱した方からだけ飛び出す事ができる。うん。同じ、同じ。(笑)

この二つの極の間に、もう一つ網目状の電極を入れてみる。人間が見て網って分かるほどなんだから、電子にすれば無いも同じで当然通過できるのだが………。
ちょいと悪さして、この網に電圧をかけてやろう。と、とたんに電子は流れにくくなる。電圧が上がるほどに通過できなくなる。そう、この網にかける電圧で気ままに飛び交っていた電子の奴をコントロールできるのだ。そう、これが「三極管」、仕事は主に増幅。現在の素子にするとトランジスタ?……う~ん、惜しい。ここはFETが正解。Field Effect Transistor(合ってる?)日本語で電界効果トランジスタだ。

この先どんどん極数は増えるけど、増えるのは網(Grid)ばかり(だったっけ?)で、まぁ、周波数特性だの何だのを改善していった結果なわけだが、トランジスタが発明されてからあっという間に駆逐されてしまう。CDが出たときのLPのように………。

でもねLPの愛好家がいるように、タマ(球)のアンプをこよなく愛するマニアは不滅なのだ。(笑)

………疲れた。やっぱり支離滅裂になっちまったし。
最初はねプレートとかグリッドとか出さないつもりだったんだけどね。
まぁ、ね。途中からポロポロと………。(^^;
では、次回は何の脈絡も無く『foの怪』にしよう。
「fo」と見た目をそれらしくするのにエフ・オーになってるけど実際はエフ・ゼロ。
つまりは最低共振周波数の話なのだ。
foの怪
エフゼロ、それは安芸出氏が音楽を担当した未来のレースゲーム………の方じゃなくって。(^^;
何処からいこうかなぁ………

負荷あるところに電気抵抗あり。これ、あたりまえ。で、直流の場合、温度変化などの要因を取り除けば抵抗値は一定なんだけど、交流になるとそんな簡単なもんじゃなくなるわけだ。交流抵抗分と呼ばれるようになる、インピーダンスというやつだ。………って、誰だそこで踊っている奴は? あ? MJ? MJならいいや。(^^;

音声信号も交流なわけだから、その負荷のスピーカの抵抗はインピーダンスとなる。カタログや取扱説明書に4Ωとか8Ωとか書いてある奴だが、これ、ある意味ウソなのだ。インピーダンスは周波数が高くなるにしたがって上昇していく。決して一定の値じゃないのだ。かといって不定じゃ困るので、周波数のずっと低いところの値を使っているのだが………ここからがエフゼロの話。

周波数を下げていくとインピーダンスもどんどん下がっていく。が、あるところでポーンと跳ね上がってピークに達するとすとんと落ちる。ここからスピーカのコーン紙は正しく振動できなくなってしまい、出力はどんどん下がっていってしまう。このインピーダンスのピークの周波数を、そのスピーカの最低共振周波数という。これがエフゼロだ。

通常、foより低い周波数は使い物にならない。これは再生可能な最も低い周波数と最低共振周波数が同じ意味になると言う事だ。だから、「再生周波数 50~20,000Hz」とか書いてあれば、fo=50Hzの事になる。逆に、foが書いてあれば、それより低い音は出ないと言う事である。

さて、では例に出した50Hzとはどんな音なのかということだが………
ここからは楽器の話になる。(^^;
現在のように電子チューナがなかった頃、楽器の調律に使うのは音叉であった。………最近は売っているのだろうか?
まっ、いっか。で、普通は440Hz付近なのだが、この音は誰でも知っている音なのだ。時報は聴いたことがあるだろう。その最後になるポ~ンと伸びる音こそが440Hzなのだ。

で、これはピアノだと………あ~っと、ピアノは音域広すぎ。(笑)
ギターの5弦。低い方から2番目だな。これの5フレットに軽く指を当て弾いてみるとハーモニクスという開放弦の4倍の周波数である高い音が出る。これがさっきの440Hzなわけで、音叉を使っての調律はこの音を合わせていたのだ。

で、当てていた指を離す。周波数は1/4の110Hzとなる。ここで私の愛するエレキ・ベースの登場。エレキ・ベースの調律はギターの3~6弦を1オクターブ下げたものだ。つまりエレキ・ベースの3弦開放はギターの5弦開放の1オクターブ下であり周波数は1/2の55Hzである。

ここで注目はエレキ・ベースにはもっと低い音が出る弦があるということ。すなわち50Hz以上しか出ない小型のスピーカでは、まともにエレキ・ベースの音を再生できていない !! ということだ。にもかかわらず「低音は十分に出ている」などと抜かす奴がいる。さも評論家ぶった書き方で。「てめ~、生の音知らね~のか!」と言ってやりたい。(ハァハァ)

では、何処まで出ればいいのか。ということになる。16Hzと言いたいがそれはちょっと………。(^^;
エレキ・ベースで話を進めよう。3弦開放の音は4弦の5フレットを押さえた音になる。5フレットは弦の長さを3/4にしたところ。そこで指を離すと弦の長さは4/3倍に、周波数は3/4倍になる。ここで約41Hz。
だがしかし、最近は5弦ベースや6弦ベースが珍しくない。そこで更に3/4倍。これで約31Hzになる。

つまりエレキ・ベースの音をちゃんと聴きたいなら少なくても40Hz、できれば30Hzが出るスピーカを用意しろって事だ。

次回は………まだ考えてない。(^^;
スピーカの穴の怪
こうやって書くと正面にあるバスレフのダクトと思われるかもしれないが………。私の言う穴とは、そんなバッフル板に開いたものではなく、ユニットそのものに開いているやつの方なのだ。「そんなの無いぞ」と思われる方が大多数だろう。特に自作系オーディオマニアを自認する方ならなおのこと。そう、オーディオ用のユニットにそれは存在しないのだ。

それはギターアンプやベースアンプなどの楽器用のスピーカに存在する。ユニットの後ろ側、マグネットが取り付けてある部分のど真ん中に指が入るほどの穴が前方に向かって開いているのだ。それはいったい何?という問いに答える前に楽器用とオーディオ用の使われ方の違いを説明しようじゃぁないか………。

ここから先、ユニットの各部分を表す聞きなれない名称が出てくるかもしれないが勘弁して欲しい。なにしろ勢いだけで書いているから流れが止まると「はい、そこまで。終了!」となりかねないのだ。(苦笑)

で、オーディオ用のスピーカで聞くのは当然音楽である。出てくる音は源音に近ければ近い方が良い。所謂Hi-Fiというやつだ。Hi-Fiを「音が良い事」と思い違いをしている人も多いようだが、「高忠実度」のことであり……危ない、横に逸れそうになった。(^^;

ボイスコイルに電流を流すとフレミングさんやアンペアさんが言っているように(オイ)前後に動く訳で、それに取り付けられたコーン紙も一緒に動く。それが空気を揺らして音になる。たくさん電流を流せばボイスコイルも大きく動きコーン紙もそれに従う。その結果大きな音が鳴る。
もっと大きな音を出そうと、もっと電流を流す。だがしかし、ボイスコイルとコーン紙はどこまでも動けるわけではない。ダンパとエッジで支えられている以上はそれを引きちぎって動く事はできないのだ。そうなると流した電流とコーン紙の動きが一致しなくなる。つまりHi-Fiではなくなる。いやいやそんなもんじゃ済まない。激しく歪んで聴いていられない。つまりオーディオ用のスピーカは最大定格を超えるような使われ方はしないのだ。

そこで楽器用アンプ。特にギターアンプなどは歪んでたってお構いなし。それどころか「良い感じでディストーションがかかっている」などと言い出す始末。そうなるとユニットは過大入力前提で設計しないといけない訳だな、これが。では先ず、過大入力だとどうなってしまうかだ。

スピーカとは電流から音への変換デバイスな訳だが、実はあんまり効率の良い物じゃない。それなりの電力が音にならず別のエネルギーとなって逃げている。そう、熱だ。ただでさえ効率が悪いのに更に過大入力など入れればどんどん温度が上がり、やがてはボイスコイルを焼き切ってしまう。そこで『穴』なのだ。

先ほど書いた背面の穴はポールピースを貫き、センターキャップで閉じられている空間にまで達している。つまり、オーディオ用だとセンターキャップで閉ざされてしまうボイスコイル周辺の空間が、この穴によって背面へと繋がっているのだ。センターキャップはコーン紙と共に動くのでこの穴には空気の流れが生じボイスコイル周辺の放熱を助けているという訳なのだ。


ところで私はある日とんでもないスピーカが存在する事を知った。ある雑誌を見ている時、プロ用のベースアンプのレンタルを記事形式で広告したものがあったのだが、これがかなり強烈だった。それは………。

通常ならばボイスコイルなどがあるべきところに直流モータが居座っている………。(^^;
軸の回転運動をラック&ピニオンで直線運動に変え振動版をドライブする。まぁ、確かにモータなら元から高負荷用に作ってあり放熱対策はバッチリだろうし……って、そこまでやるんかい。(^^;

さてと、次はどれにしよう?
今、思いついているネタは2つ………。
「ドレミの歌」の怪
突然方向性を変えて、「ドレミの歌」の話。

日本では児童唱歌と同列扱いなのだが、実はれっきとしたミュージカルの曲。
私の記憶によると、このミュージカルを観たペギー葉山さん(歌手)が帰国の飛行機の中で日本語の歌詞を作ったものだ。そう、作詞であって和訳ではない。だから「レ」はレモンではなく「レイ」で太陽から降り注ぐものだったり、「シ」は幸せでなく「ティー」でジャム付きトーストと出てくる飲み物だったりするのだ。
ついでに「ファ」は、86のアセンブラを経験したプログラマさんならご存知のファージャンプの「ファー」と同じ意味だったり。(笑)

舞台は成功し映画化されることになる。私の音楽のルーツとも言える「サウンド・オブ・ミュージック」だ。最近の人だとピンと来ないかもしれないが、トラップ一家のアニメと言えば知っている人もいるだろう。また「菩提樹」の名で記憶している人もいるかと思う。

話が逸れた………。(^^;
その映画のサントラ盤を聴いて育った私だが、今になっても聴きたくなる時がある。そこでCDを買ったのだが………酷い、酷すぎる。CDらしくすっきりとした音になっているのだが、あからさまな低域カットで重厚なはずのパイプオルガンが軽いこと軽いこと。立て付けの家具のサイズじゃないんだから、ちゃんと朗々と鳴らしてほしい。だが………!

そんな程度の問題で済まないのが「ドレミの歌」なのだ。なんと、主役であるマリアの声が遅れているのだ。最初は「あれ? こんな溜めた歌い方してたっけ?」と思ったのだが、そうじゃない。ただ遅れているだけなのだ。こんな馬鹿な事が起こる可能性は……ある。MTRの操作ミスに違いない。orz

そして、もう一つ問題があるのだが、その前に………。
このCDの、Amazonでの感想の中に「ドレミの歌がドではなくシ♭から始まっている。これでは子供に聞かせられない」というのがあった。はて、私の知識では『ド』の音など調によって移動するものではなかったか。絶対的な音程は、日本では『イロハニホヘト』で英語圏では『ABCDEFG』で表すのではなかったか。つまり「ドレミの歌」は『B♭』が『ド』の曲なのだ。………………いや違う !!

歌い出しはこんな感じだったか………
マリア 「さぁ! 音楽の勉強を始めましょ。 英語の始めは?」
末の娘 「ABC」
マリア 「歌の始めはドレミ」
子供達 「ドレミ?」
ミュージカルなので、マリアの弾くギターに合わせて音階を伴った会話があり、その後「ドレミの歌」へと続いていく。 ん~~、というかドレミの歌ってレッスンシ-ンでの会話そのものなんだよね。(^^;

何故そんな話が必要かっていうとだね………
このCD、テンポが少しLPよりも速くなってる。それが何を意味するかと言えば、音程も上がっちゃっているという事なのだ。で、どの位上がっているかって言うと、だいたい半音。そこで、さっきの話に戻るのだが………。

上がっているっていう事は、元に戻すには下げにゃならん。B♭の半音下は……Aだよね。つまり、本当の「ドレミの歌」はイ長調の曲だったというわけだ。これは英語の始めと音楽の始めを一致させた作曲者のユーモアだったに違いない。

そんなユーモアを子供に分かってもらおうとなどとは思わないだろう。
「ドレミの歌」は児童唱歌なんかじゃなくて、大人のために作られた曲だったのだ。……と私は思う。
電撃の怪
さて、久々に怪シリーズを…と思いながら過去の記事を眺めていると………多量の誤字やらなんやらを発見。orz
mixiの方で読まれた方、ごめんなさい。m(_ _)m

んで、私が電撃などと言い出すと「またラムちゃんか?」と思われるでしょうが……最後にはしょうか?(^^;

昔々、アマチュア無線が盛んだった頃、「1000Vギャップ」という言葉がありました。ジャンクのバリコンを使う時何ボルトまで放電せずに使えるか?その目安が1mm=1000Vなのです。
電極である羽と羽の隙間が、例えば0.5mmであれば「500Vくらいかけれる」となるのです。

この怪しげな式がどの程度の範囲で当てになるかは知りませんが、かの電気ネズミ、「10万ボルト」などと言っておりますが、はたしてどうでしょう? どう見ても5mは放電していると思われるのです、そうなると5000mmなので500万ボルトは発生している事になります。

ところで、これが当てはまるのは電極が平面の場合であり、尖った物からはもっと低い電圧から放電が始まります。これは掌よりも指先からの方が放電しやすいという事です。してがって放電したい対象に向けて指差す動作は大変理屈に合っていると言えるでしょう。「ダーリンのバカ~~!」(^^;
送電線は高圧の怪
一般家庭や町工場などで使用される電源は100Vあるいは200Vである。だが、電柱の間を走っている線は6600Vであり、高圧鉄塔となると更に桁が上がる。
電圧が高ければ高いほど絶縁などのコストが増えるにもかかわらず、なぜ数千、数万といった電圧で送電するのか? じつは、これは単純な二つの式で理解できるのだ。

一つ目は I=V/R いわゆるオームの法則で、もう一つは P=IV あるいは P=EI で表される電力を求める式だ。まず I=V/R を V=IR とする。これを P=IV の V に代入すると P=I2R となる。つまり抵抗で消費される電力は、その抵抗に電流の二乗を掛けたものだということだ。

いかなる導線も超伝導でないかぎりは抵抗値を持つわけで、たとえばここに0.1Ωの抵抗を持つ電線があったとする。これを使って1KWの電力を送りたい。
まずは電圧を100Vとしてみよう。そうなると電線を流れる電流は10Aということになる。この時に電線で消費される電力は、上の式から 10×10×0.1 で10Wである。
電圧を200Vとした場合 5×5×0.1 で2.5Wとなり、1000Vまで上げれば 1×1×0.1 で0.1Wまで下がる。
逆に10Vまで下げると 100×100×0.1 で1KWとなり、もはや導線なのか負荷なのか?というのような状態になってしまう。

実際にはこれほど単純ではないが、電流が増えれば増えるほど無駄が出る事に変わりはない。抵抗は簡単に下げれないとなれば、残るは電圧を上げるしかないのだ。