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流れを考えるとプリンタの考察をすればよかったのですが、嬉しいことにプリンタが故障もせずに不具合を感じることなく働いてくれており、新しい機能が欲しいということもないので、タイトルにあるとおり今の液晶ディスプレイを考えることにしました。
私が今回購入したのは飯山電機製の「ProLite E2607WS」という26インチのもので、価格は4万8千円でした。それまでずっと使用してきたサムスン製のCRTの表示がぼやけてきたため、やむなく購入したのです。このCRTはシャドウマスクの17インチですが、ドットピッチが0.22mmと非常に高解像で、1600×1200ドットでの使用にも十分に耐えてくれていたのです。ところが寿命なのでしょう、次第に滲みがひどくなりアイコン下の文字が判読できなくなってしまいました。当然、ブラウザの文字も小さいものは拡大鏡アプリを使わないと読めないほどで、限界を感じて決断を下したのです。
購入に当たっては慎重には慎重を重ねようと思い、色々とリサーチをしたのですが、考えてみるとそれまで使用していた解像度を下回るわけにはいきません。これはこれまでの経験上、より狭い画面で同じ仕事をしようとすると想像を絶するストレスに見舞われるからです。先の17'CRTを使用する前は19'CRTを1920×1440ドットで使用していたので、使用開始当初は相当イライラしました。そのようなわけで、解像度が1600×1200ドット以上の液晶ディスプレイという制約が発生したのです。特に縦方向のドット数は決して妥協できません。個人的にプログラムソースなどを編集しているときにより多くの行が表示されていると、なぜか安心感のようなものを感じるのです。ブラウジングのときもスクロールさせる回数が減ると便利さを実感できると思います。でも、これによって選択肢は一気に狭まってしまいました。主流は1280×1024と1680×1050ドットのようでした。フルハイビジョンの解像度である1920×1080ドットもありますが、先の縦1200ドットから外れるため却下です。結果、1600×1200、1920×1200、2560×1600ドットなどに限定されました。ProLite E2607WSは1920×1200ドットです。
それから、画面全体の大きさも大きな要因です。つまり、ドットひとつあたりの大きさです。これが小さいといくら表示がクリアでも、視力の弱くなった私には文字の判読に苦労するからです。ただ、あまりバカでかいと、今度は眼球の動きだけでは端から端まで認識できず、首が疲れるという噂があります。ほどよい画面の大きさというのが選定要因としてあるわけです。今回は26(25.5)インチにしました。
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ProLite E2607WS
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液晶ディスプレイ特有の問題として応答速度の低さがありますが、最近改善されてきたとはいえ、これも無視できません。個人的には動画鑑賞にはあまり使わないと思うのですが、3Dゲームやブルーレイによるハイビジョン映像を表示させることを考えると、高速に越したことはありません。理論的には16ms以下であればイリュージョンは感じないことになっていますが(リフレッシュレート60Hzとして)、実際には公称8msのディスプレイを見てもなぜか「液晶らしさ」を感じてしまいます。これは最高輝度(白)→最低輝度(黒)および黒→白の時間ではないせいで、こちらが16ms以下のものにしないと違和感を感じることになります。目安として、公称値(中間色)が6ms以下だとイリュージョンがあまり気にならないようです。ProLite E2607WSは動画用の補正モードにすると2msとありましたので、ひとまず安心して購入しました。
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よくスペック表にある、輝度とコントラスト比ですが、別に明るい場所で使うわけではないので、輝度は300cd/m2以上あれば十分でしょうし、コントラスト比も平均的な1000:1のもので十分と判断しました。
また、今回の私の使い方として、新旧2台のマシンで共有したいという要望があり、画像入力がアナログとディジタルの2系統必要です。ProLite E2607WSにはこれら2系統に加えHDMI(Ver.1.2)準拠の入力があり、さらにBDプレイヤーも接続できそうです(持ってないけど)。
あとはオマケ的な機能として、スピーカーやヘッドホン端子、マイク、USBハブ、回転式スタンドなどを見ますが、ProLite E2607WSにはスピーカー(5Wx5W)のみがついています。確かにワイド型のディスプレイは幅があるため、スピーカーを置くスペースに困ることが予測されます。このため、スピーカー内蔵のディスプレイが便利なのかもしれません。今回はパネル全面ではなく背面にスピーカーがあり、音質は前面に小さなスピーカーがあるものに比べると良好のように感じます。試しに大音量で鳴らしてみましたが、意外と根性があって音割れしません。ただし、スピーカーが背面にあるせいなのでしょう、低音が弱くシャカシャカした感じの音になるところは残念。一般的な外部スピーカーの代わりにするにはキツいものがあります。でも、裏に回って聴くと案外良い音なので、すぐ後ろに固い壁があったりするとイケるかもしれません。 |
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さて、総評です。満足度は95%、実際に使用してみて驚いたというのが正直な感想です。前回、液晶ディスプレイを買ったのが4年ほど前なので、持っていたイメージが古かったのもあるでしょう。そのときは1024×768ドットで3万5千円ほどしていて、動画がめらめらしていました。今はそれにプラス1万円足らずで約4倍の画面面積で、かつ画質もCRTに劣らないパネルが買えます(実際には1920x1600で3万円台もある)。
実際にテーブルに置いて使ってみると、その画面の広さに圧倒されます。文字は大きくはっきりと映り、作業範囲の広いこと。従来に比べて、水平方向に320ドット拡がっただけなのですが、受ける印象はそれ以上のものがあります。ドット欠損もありませんし、パネル内の色ムラも気になりません。使用感は至って快適です。また、消費電力も52Wと低く、画面の広さ換算だとCRTの半分以下になるでしょう。スタンドはシンプルな構造ですが、ちゃんと20°まで傾斜できるようになっており、不便は感じないでしょう(ただし、手前側には倒れません)。応答速度も看板に偽りなく、特に動画モードにすると液晶であることを忘れます(ノーマルモードでもめらめらは感じません)。今時は気にするべきでもないのでしょうが、視野角も左右で170°あり、問題になりません。ナナオなどの高級機と比べたわけではないので、あくまでも私の感覚なのですが、十分に満足させてくれます。 |
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最後に私が感じた問題点をまとめてみました。 |
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1.操作ボタンがパネルの底面にあり、操作するとき下からボタンをおさねばならない。これは意外と不便に感じます。キーやマウスを操作しているとき、指の腹は下向きですから、この体勢からボタンを押そうとすると手首を180°回転させねばならないのです。これが負担に感じるのです。また、ボタンを押し上げるという操作も不安定な印象を持たせます。設置スペースはパネル前面にあるので、ぜひ、新機種では前面に配置してもらいたいと思います。
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2.ボリュームのコントロールが面倒。もともとオマケ的な機能なのかもしれませんが、デジタルボリュームを変更するとき、メニューの奥まで入らないといけないのはつらいです。メニューボタンを押しながら上下ボタンで変更など、便利な操作はあったはずです(ツマミを付けるとコストがかさむでしょうから)。 |
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3.入力信号の切り替えに時間がかかる。これが思った以上にかかります。パッ、パッと切り替わってほしいのですが、数秒かかります。これは結構ストレスです。 |
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4.スタンドで高さ調節ができない。価格を考えろと言われそうですが、もう2千円高くていいから、この機能を付けてほしいと思うくらいです。現在は百科事典の上に乗せて使っています。 |
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余談です。子供たちは何年も前から液晶ディスプレイを使っていますが、私は初めてです。ノートパソコン(1400x1050dot)もずっと使っているので液晶慣れはしていたはずなのに、こんなに新鮮な感覚を覚えるのは何故なのでしょう。やはり画面の大きさと広さなのでしょうね(それしか考えられないので)。なにしろ仕事の仕方自体が変わりましたもの。ドキュメントを2本並べて表示させる場合が多くなり、ツールウィンドウを2列にして並べたり、ブラウザのディフォルト幅を拡げたり、常時デスクトップに表示させるウィンドウが増えたりしています。確実に効率アップに寄与していると感じます。新たにディスプレイの購入を考えていらっしゃる方、ぜひぜひワイド型高解像度のものをどうぞ。特にプログラムや文章・CG作成をなさっている方、1~2万円高くてもその価値はあります、きっと。次回は有機ELディスプレイ考ができるといいなぁ~・・・ |
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